アエル株式会社の民事再生申立を受けての緊急会長声明

2008/03/27

平成20年3月24日、東京都中央区に本店を置く、消費者金融会社のアエル株式会社が東京地方裁判所に民事再生手続開始の申立を行い受理された。

同社は平成15年9月に更生手続開始の申立(会社更生法)をし、昨年8月に更生手続が終結したばかりだが、過払金返還が高水準で続いたことから再び事業継続が困難になったとされている。負債総額は約231億円とのことである。同社の貸出残高は1000億円程度であり、業界13位とみられているところから、その影響は極めて大きいものと言える。

一方、平成19年9月、東証一部上場の消費者金融業者、株式会社クレディアが民事再生手続開始決定の申立をしているが、当初、平成20年2月22日であった再生計画案提出期限は平成20年5月17日までに延期されており、その動向については現在も予断を許さない状況にある。

すなわち、株式会社クレディアの民事再生事件においては、同社と取引を行っている顧客に対し自発的に利息制限法引直額を告知するなどして民事再生手続に参加する機会を確保しなかった点や、再生手続開始決定前10年以内に取引を終了した顧客に対し過払額を告知するなどして民事再生手続に参加する機会を確保しなかった点により、極めて不公正といわざるを得ない状態のまま手続が進行しているからである。

このように、一昨年の貸金業法改正以降、初めてとなった上場企業株式会社クレディアの民事再生申立というリーディングケースの方向性が定まらないまま、アエル株式会社が同様の手続を選択したことにつき、当会としては、同社の今後の手続の推移に関しても注視していく必要性を強く感じているところである。

そこで、多重債務被害救済に長く取り組んできた当会としては、今般の同社倒産の事実を重く捉え、現在同社と取引を継続している消費者がさらなる多重債務被害に陥ることのないよう、司法書士会をあげて取り組むこと、さらには、今後起こりうる消費者金融会社の破綻に対しても迅速かつ適切な対応を取ることを宣言するとともに、改めて、次のとおり、同社の民事再生手続が適切に行われることを強く求めるものである。

  • 1.再生債務者アエル株式会社は、消費貸借取引を現に行っている顧客に対し自発的に利息制限法引直額を告知し、民事再生手続に参加する機会を確保すること。
  • 2.再生債務者アエル株式会社は、再生手続開始決定前10年以内に取引を終了した消費貸借取引の顧客に対し過払額を告知し、民事再生手続に参加する機会を確保すること。
  • 3.再生債務者アエル株式会社は、少額の再生債権につき弁済許可の申立をする等、消費者の過払債権が早期に支払われるよう適切な措置を講ずること。

平成20年3月27日
静岡県司法書士会 会長 早 川 清 人