武富士の会社更生法適用申請に対する緊急声明

2010/09/28

平成22年9月28日、消費者金融大手の武富士が東京地方裁判所に対し会社更生法適用申請を行い、その負債総額は4300億円程度と予想されている。

武富士は、軽快なダンス音楽を駆使したCMなどにより「サラ金」業者としてのイメージを一新し、2002年3月期にはその貸付金残高1兆7666億円を誇っていた消費者金融業界のトップである。したがって、同社の会社更生法適用申請による影響を受ける顧客は、債務者、債権者(過払金債権者)の如何を問うことなく、これまでの消費者金融業者の倒産事件に比し最大規模となるのではないかと思われる。すなわち、武富士は、顧客に貸金を行う際、利息制限法所定利率を超える利息に関する契約を行ってきており、同社の顧客の中には、利息制限法制限利率による引直し計算を行うことにより、「債務者」から一転「過払金債権者」となったり、相当額の債務減額が見込まれたりする顧客が多数存在すると思われるのである。

多重債務被害救済に長く取り組んできた当会としては、今般の武富士が会社更生法適用申請を行ったことにより、同社と取引を継続している顧客がさらなる多重債務被害に陥ったり、混乱したりすることのないよう、緊急の相談窓口を設置することを決定した。また、更生手続の開始決定がなされた際には、顧客の利益が不当に侵害されることのないよう、特に下記事項が遵守されることをここに要望するものである。

  • 1.武富士は、消費貸借取引を現に行っている顧客に対し自発的に利息制限法制限利率による引直額を告知し、利息制限法所定利率超過利息の請求をしないこと及び過払いとなっている顧客に対しては更生手続に参加する機会を確保すること。
  • 2.武富士は、更生手続開始決定前10年以内に取引を終了した消費貸借取引の顧客に対し過払額を告知し、更生手続に参加する機会を確保すること。
  • 3.武富士は、顧客若しくはその代理人からの取引履歴開示請求に対し速やかに全取引経過を開示すること。
  • 4.武富士は、過払債権者にその過払額全額が更生計画によらないで早期に支払われるよう、少額債権についての弁済許可の申立をする等の適切な措置を講ずること。
  • 5.武富士は、顧客から利息制限法による残債務額の確定、又は過払金の返還の請求を受けた場合、当該顧客の信用情報に関し不利益となるような扱いをしないこと。
  • 6.武富士は、利息制限法による債務が確定された顧客からの、当該債務のいわゆる「将来利息(分割返済期間中の利息)」を付けない分割返済の申し出に応じること。

平成22年9月28日
静岡県司法書士会 会長 早 川 清 人