保証人の対応に関する意見書

2019/01/05

第1 意見の趣旨

  • 1・保証人に対して全額請求することを直ちにやめるべきである。
  • 2・これまでに保証人から分別の部分を超過して受領した金員は、直ちに返還すべきである。

第2 意見の理由

  • 1・平成30年11月1日付朝日新聞の朝刊には、貴機構が、本人と連帯保証人による返還が困難だと判断した場合、保証人に全額を請求し、返還に応じなければ法的措置を取る旨も伝えているとの報道記事が掲載されている。この報道に関して、貴機構の遠藤勝裕理事長は、インターネットオピニオンサイトにおいて、分別の利益がある保証人に対して全額請求したケースが平成22年度から同29年度の累計で825人程度だと述べている。
  • 2・また、貴機構ウェブサイトには「保証人が本機構に返還した金額については、法的に有効であり、返還があった奨学金について、本機構の請求権がなくなっているため、本機構としては、返金の要求には応じかねます。」とあり、2分の1の支払い義務しかない保証人が全額を支払った場合でも、貴機構は本来支払い義務のなかった2分の1の返還に応じない姿勢を鮮明にしている。
  • 3・しかし、当会は、下記理由により、貴機構の取扱いは不当であると考える。

  • (1)保証人が2名の場合、連帯保証や保証連帯等の事実がない限り、各保証人の支払い義務は当然2分の1に縮減される。言い換えれば、債権者は、保証人の1人に対して全額請求することができず、2分の1に限って請求することができるにすぎない。
  • (2) それにもかかわらず、貴機構が保証人に対して全額請求することは、自ら定める「コンプライアンスの推進に関する規定」に反し、社会からの信頼を裏切る行為である。また、かかる請求は、知識と経験を充分に有する貴機構が、それらが不充分な保証人に対して法律上支払い義務のない金員の支払いを求める行為であり、上述の規定違反を考え合わせれば、信義則に反する行為といわざるを得ない。
  • (3)したがって、貴機構は、保証人に対し、2分の1を超えて支払いを受けた部分について、直ちに返還すべきである。
  • 4・法律上支払い義務のない金員を支払った保証人の数が825人にのぼることは、大きな社会問題といわざるを得ない。貴機構の公益性を考慮すれば、早急に救済策を講じるべきと考え、当会は、貴機構に対し、意見の趣旨記載のとおり意見する。

平成30年12月20日
静岡県司法書士会 会長 杉 山 陽 一