「長期間相続登記等がなされていないことの通知」が届いた皆様へ
不動産を所有している方が亡くなった場合、その不動産を相続した相続人の名義へと所有権を移転する登記(いわゆる相続登記)をおこないます。相続登記をしないまま長期間が経過する間に、さらに相続人が死亡するなどして、相続登記をおこなうための手続きは煩雑になってしまいます。
標記の通知が届いた皆様、これからどのように手続きを進めていくべきかを次にQ&A方式でまとめてみましたので、是非ご一読ください。
通知が届いていない方も、相続登記はお早目に済ませることをお勧めします。
迅速で正確な相続登記のために、お近くの司法書士事務所または司法書士総合相談センターしずおか(電話054-289-3704)へご相談ください。
「長期間相続登記等がなされていないことの通知」とは何ですか?
現在、所有者不明土地の問題を解消するために、登記記録上の所有者がお亡くなりになって30年以上を経過している土地について、法務局が法令(所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法)に基づいて相続人を調査し、相続登記を促す事業を行っています。
お手元に届いた通知は、あなたが30年以上前に亡くなった登記上の所有者の法定相続人のお一人であり、相続登記をすることを促す趣旨のものです。
「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」とはどういう法律ですか?
現在、登記記録上で所有者の所在が確認できない土地の割合が全国で約20%にのぼるとされており、管理の放置による環境悪化や災害の復旧への妨げなどが大きな問題となっています。こうした所有者不明土地は、相続が生じても登記がされないことを原因として発生することが多いため、国が土地所有者の効果的な探索を図るための措置を定めました。
説明会・相談会の案内も入っていました。行った方がよいですか?
その場で証明書等を取得したり、相談したりすることもできますので、できるだけ出席されるとよいと思いますが、義務ではありません。ご都合がつかない場合や法務局へ行くことが不安な場合には、お近くの司法書士にご相談ください。静岡県司法書士会(電話054-289-3704)でもお近くの司法書士をご紹介できます。
相続登記を行うには、どのような手続きが必要ですか?
他の法定相続人と、対象の土地をどのように相続するのか話しあっていただく(遺産分割協議といいます)必要があります。協議が整いましたら、対象の土地を管轄する法務局へ相続登記の申請を行います。相続登記はご自身でもできますが、専門的な知識も必要となるため、司法書士にご依頼ください。
遺産分割協議をしたいのですが、自分以外の法定相続人は誰だかわかりません。どうすればよいですか?
通常であれば、手間と費用をかけて戸籍を調査することになりますが、「長期間相続登記等がなされていないことの通知」が届いた方は、法務局で「法定相続人情報(の写し)」が取得できますので、それによりご自身以外の法定相続人を知ることができます。その際は、
○ 法務局から届いた通知
○ 本人確認書類(自動車運転免許証など)
○ 認印
○ 手数料450円
をご持参ください。
対象の土地がどのような土地なのかよくわかりません。調べる方法はありますか?
お近くの法務局(対象の土地を管轄する法務局でなくても構いません)で、「登記事項証明書」を取得(1通600円)することで、現在まで一定期間の権利関係がわかります。また、土地の形状や地図上の場所を確認したい場合は、地図(公図)を、同じく法務局で取得(1通450円)できます。
なお、ほとんどの司法書士事務所で、オンラインで上記書面に準ずる情報(登記情報)を取得できますので、ご用意なさらずにご相談にみえても大丈夫です。
対象の土地の他にも、同じ被相続人名義の土地で相続登記がされていない土地があれば、まとめて処理したいのですが、調べる方法はありますか?
市町役場で名寄帳を取得するなどして、被相続人名義のままになっている不動産が他にもあるかどうかを調べることができます。
なお、新たに判明した土地について相続登記を行う際に、その土地が通知に記載された土地とは異なる法務局の管轄である場合、「法定相続人情報」を使用できない扱いです。そのため、場合によっては膨大な量の戸籍・除籍・改製原戸籍謄本や住民票等を揃える必要が生じ、ご自身で収集されるには大変な手間がかかります。司法書士に相続登記をご依頼いただければ、そうした書面も迅速に取得できます。
放置しておくとどうなりますか? やはり、今、相続登記をしておいた方がよいですか?
法務局から再度相続登記を促す通知(勧告書)が送付されることがあります。しかし、現行法では相続登記は義務ではありませんので、放置しておいても制裁はありません。
土地はよほどのことのない限りなくなりませんから、いつかは名義変更をしなければなりません。代が進むごとに、子から孫へと法定相続人の範囲が拡がることで、遺産分割協議の関係者も兄弟姉妹からいとこ全員と増加していきます。ご自身のお子さんたちに負担を先送りしないよう、少しでも早い相続登記をお勧めします。
[su_note note_color="fff"]迅速で正確な相続登記のために「静岡県司法書士会司法書士総合相談センターしずおか」では、下記のとおり相談センターの司法書士が直接電話相談をお受けしております。
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